様々なカルチャーを混和しアートへと昇華させる、伊波英里のアンビバレントな才能

漫画、ゲーム、映画、お笑い、そしてディズニー。ジャンルを超えたさまざまな創作表現を嗜み、それらを自らの内で掛け合わせ、グラフィック、映像作品を中心に新たなクリエーションを生み出し続けるアーティストの伊波英里。そんな彼女のクリエーションは、情報過多な今の時代において、物騒がしい街並みにたって、一種のカタルシスを感じるような清々しい光に満ちている。

高く伸びたファッションビルの巨大なスクリーンや、若者に支持されいるいま話題のカルチャー雑誌など、彼女の作品は、特に若者の街と呼称されるような都市のなかでよく見られる。それだけ、若さと活気が疾走する街中、そこに立つ人々に必要とされているのだろう。自由に軽やかにメディアを行き来する彼女のクリエーションには、温もりと可笑しみに溢れている。


IKEBUKURO PARCO VISION Station ID


NEWoMan Digital Signage

BABY-G GALLERY @Maybe! museum

Photo:Yayoi Arimoto

チャーミングで楽しげな作品の数々は、思わず脱力してしまうような、心地よさを感じる絶妙な違和感とアンバランスな佇まいを湛えている。それは、彼女が得意とするグラフィックや映像作品だけではなく、オブジェやインスタレーション、グッズに至るまで表現形態を問わずに通底している、テーマのようなものでもある。

NEWoMan Sale Visual

Jyoshi to Shashin

建て替え中の渋谷PARCO内にあったPARCO GALLERY Xで開催された『女子と渋谷の写真展。』で発売されたZINE『女子と写真。』の表紙。彼女が幼い頃から培ってきた豊富な文化的素養をアート作品に落とし込むことで、他にはないその独特なズレを生み出し、見る者に不思議な感覚を与える。

Neon for group show ”Enkatsu” (2016)

Silkscreen printing for group show “IN MY MODE”(2016)

80年代の空気感を内包させながら、クラフト感溢れるポップな作風で、多くのファンを魅了する彼女。風通しのよさを感じる個性的な仕掛け、斬新でユーモアがいっぱいにつまった作品の数々には、街の賑わいをさらに煽るようなウィットに富んだ優しさと、クリエーションに対する暖かな眼差しに溢れている。

Artwork for group show “prospect and reflection”(2014)


“Summer Greeting 2016”

伊波 英里/グラフィックをメインに、映像やプロダクト等多岐に渡り制作している。来年には大阪で、彼女含め3人のクリエイターによる展示会『ビッグ3』を1/14〜1/22の期間で開催予定。

eriinami.com

@eri_inari

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和洋新旧の混交から生まれる、妖艶さを纏った津野青嵐のヘッドピース

アーティスト・津野青嵐のヘッドピースは、彼女が影響を受けてきた様々な要素が絡み合う、ひと言では言い表せないカオティックな複雑さを孕んでいる。何をどう解釈し作品に落とし込むのか。謎に包まれた彼女の魅力を紐解く。

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イギリス人のミュージシャン、ローラ・マーリンのニューアルバムに満ちている“ロマンス”。男っぽさがほとんど感じられないその作品は、女性として現代を生きることへの喜びを表現している。

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