ランジェリーの素材に、ストレッチが効いたチュールを使うのが大好き。とてもしなやかだから、世界一美しいシルエットで衣服にフィットするランジェリーがつくれるの。それにどこかモダンで洗練された雰囲気にもなる。それがまさに、私がもっとも魅了されている、ランジェリーの美学なのよ。
ランジェリーは最も自信につながるファッションプロダクトである。
私はいつも“かわいい”ものに惹かれてきたの。レースとか透け感のある生地には本能的に惹きつけられるわ。私の関心が特にランジェリーに向けられる主な理由もそこにあると思う。最初のブラのつくり方をまだ覚えているくらい! ブラがすごくほしかったんだけど、まだ必要ではなくて。買ったり、母に頼んだりするのは恥ずかしすぎたから、自分でつくっちゃったのよ。そのあと、すぐに大人になったような気がしたわ。
ブラをデザインするのは、エンジニアの仕事とどこか似ている。使用する素材はすべて完璧な伸縮性と強度を備え、正しい構造で組み立てられなければならない。
異素材を組み合わせるのが好きなの。例えば、スポーティな素材とフェミニンなレースをミックスしたりね。正反対の素材を組み合わせると、よりおもしろいものができることが多いのよ。伸縮性のあるチュール素材をランジェリーに使うのが大好き。すごく強いから、とても美しいシルエットをつくり出すことができるし、生地との相性も抜群なの。モダンで、けばけばしくなくて、私が一番好きなランジェリーのスタイルにぴったり合うのよ。
私が育った家庭はとてもクリエイティヴで、インスピレーションにあふれていた。
私の父はシュルレアルのアーティストだったから、家の中は作品やデザイン関連の本で埋め尽くされていたわ。ほかの家族も、ファッションデザイナーや建築家、家具デザイナーとか。つまり、明らかに遺伝的な何かがあるってわけ。
色に対する私の思いは、かつて読んだアンリ・マティスの言葉にすべて集約されている。「色をすべて取り出すことはできないが、他の色との対比は美しい。色彩はまた、お互いに影響し合うはずだ。さもなければ不快に感じられるだろう」。
私は色に夢中なの。とりわけ、異なる色を組み合わせることで新たなものが生まれるという部分に。自然界では、これは当たり前に起きているのよ。だから私はいつも空や花や風景の色の変化に目をやるの。
ティーンのころの香りを感じると、文字どおりティーンエイジャーに戻った気分になる。
人生のそのときどきで、違った香水を纏ってきた。夫に出会って同じアパートに住み始めたころ思い起こす特別な香りは、とても居心地のよい人に出会えた安堵感を感じさせてくれるの。