言葉を紡ぎ読む者を救う作家、西加奈子の5つの偏愛

彼女が描く世界をめくってゆけば、どこか遠く別世界に運んでもらっているような感覚を覚える。しかし、それはあくまでも現実と地続きで、それがゆえに目映く圧倒的な説得力として読む者に語りかける。いまの文学界を牽引する小説家の一人である、西加奈子の5つの偏愛とは。

1

猫のエキ

6年前に拾ったチャトラの猫です。「かわいい」と思う気持ちを通り越しています。彼のおかげで日々健やかでいられると思います。

2

チママンダ・ンゴズイ・アディーチェの『WE SHOULD ALL BE FEMINISTS』

アディーチェの大ファンで、時々読み返しています。聡明でキュートでユーモアに溢れた彼女の言葉にはいつも胸を掴まれます。

3

A TRIBE CALLED QUESTの全アルバム

十代のときも、二十代のときも、いつ聞いてもずっとかっこ良かったATCQ。きっと四十代でも六十代でも、百歳になっても聴くと思います。

4

プロレス

いついかなる状態のときに観に行っても、必ず元気と勇気をもらって帰って来ることが出来ます。

5

杉屋珈琲のコーヒー

何度飲んでも「お、美味しい・・・!」と驚きます。スーパー好みの味。豆から挽いて朝、昼、夕方、夜と四回飲みます。

西加奈子/1977年 テヘラン生まれ、カイロ・大阪育ち。2004年『あおい』でデビュー。2007年『通天閣』で織田作之助賞受賞。2013年『ふくわらい』で第一回河合隼雄物語賞を受賞。2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。東京在住。

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和洋新旧の混交から生まれる、妖艶さを纏った津野青嵐のヘッドピース

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ローラ・マーリンが表現する、今“見る”べき音楽

イギリス人のミュージシャン、ローラ・マーリンのニューアルバムに満ちている“ロマンス”。男っぽさがほとんど感じられないその作品は、女性として現代を生きることへの喜びを表現している。

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