写真家、小林真梨子が選ぶ東京イットガールズ

2017年・東京。SNSを駆使し、一つの役割に固執せず自身の表現の幅を広げていくミレニアル世代の女性たちを今、もっとも多く撮っている写真家が小林真梨子だ。その信頼関係は“親友”と呼ぶがふさわしいだろう。そんな彼女が注目の5人を紹介。

1

大澤 実音穂

バンド「雨のパレード」でドラムを担当する彼女。端正な顔立ちでドラムを叩くミネホさんの姿は、とても魅力的でかっこいい。自主企画《漂白する都市》は、みんなで作り上げた空間がとても興味深かったです。どこか自然を感じさせてくれる曲調で、言葉ひとつひとつが体に吸収されていくよう。柔らかく包まれた空気の中を歩いている途中に、ぐっと力強い言葉がぶつかるような音楽だと思います。それにライブがとても心地よいバンドで、新しいアルバム『Change your pops』はかなり推しています!

@______mineho  

amenoparade.com

2

芽生

これまでたくさんの女の子たちを撮ってきたつもりですが、その中でも初めて「ああ、守りたくなる女の子だなあ」と思いました。こんなことを言うと変かもしれませんが……。関わった人たちみんなに多分、きっとそう思わせてしまう。そんな雰囲気を持った子です。日本人なのですが、アメリカ生まれの彼女が東京に来て、今年で5年。今はモデルの仕事をしていますが、海外の音楽がとても好きと話す彼女がやりたいことは、海外アーティストの、日本ライブをブッキングすることだそう。また、雑誌やweb媒体で、海外アーティストを紹介する企画を立てたいと夢を語る。これからが楽しみな女の子です。

gunns.jp/model/mei/

3

松浦りょう

明るくて、よく笑うりょうちゃん。しゅっとした佇まいの彼女がつくり出す表情が、とても好きです。カメラを向ければ、吸い込まれてしまうよう。不思議な雰囲気があります。こちらが指示を出さなくても、私が撮りたいと思う瞬間が、次から次へと出てきます。被写体としての直感が、かなり冴えているんだと思います。いつか彼女が動く姿も、撮ってみたい。みんなにもぜひ、写真のりょうちゃんだけではなく、映像としての彼女も見て欲しいんです。

@ryo_chick

4

中田絢千

演技をしている彼女。ファインダーを通して見ると、肉眼で見たときの姿から変化するのです。なぜだろう。どちらも素敵だけれど、2つの顔を持っているのは、いい意味で魅力的だと思います。一見、落ち着いているように思える彼女ですが、実はとても活発で、ずっとずっと動いている。からだで表現することが、本当に好きなんだなあ。私は、そんな彼女追いかけながら写真を撮るのが好きです。

@ayaka_nakata

5

酒井いぶき

ロングヘアが特徴で、いろんなことに興味を持っている、魅力的な女の子です。モデルの活動をはじめ、テプラアーティストとして、ZINEやアクセサリーを創って、アートブックフェアなどイベントで販売していたりもします。子供のころに流行ったような、どこか懐かしく、いい意味でチープな雰囲気が彼女の作品の特徴です。海外に行く機会がある彼女は、世界でさまざまなことを吸収して成長中。まだまだ若く輝いています。

@iibbuukkii_

小林真梨子/東京を拠点に活動する写真家。これまでの主な展示に「東京女子展」(2015)、シブカル(夏)祭。「女子と渋谷の写真展。」(2016)がある。注目のイットガールズとの交友関係が広く、被写体の自然な表情を捉えるのが得意。

www.paidanmariko.com

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