『jellywolf』主演女優、カーシー・クレモンズ

香りが放つ幻想的なパワーを題材に、圧倒的映像美を繰り広げた、ショートフィルム『jellywolf』。〈The Fifth Sense〉のために作られた本編がついに解禁となる。手掛けるのは、数々の映画祭で受賞歴を持つ、アルマ・ハレル。主演として登場するカーシー・クレモンズに話を訊いた。

未来を担う女優、そしてシンガーでもある、カーシー・クレモンズ(Kiersey Clemons)23歳。2015年、サンダンス映画祭で笑いの渦を巻き起こしたコメディ映画『DOPE/ドープ!』で、一躍ブレイクしたクレモンズは、傑作ドラマシリーズ『トランスペアレント』や、ハル・ベリー主演のSFドラマ『エクスタント』にも、準レギュラーとして出演した。今年は、DCコミックの大ヒット作『ジャスティス・リーグ』や『ザ・フラッシュ』で、重要な役どころを演じる。さらに、EPもリリースするクレモンズは、まさにスターへの仲間入りを果たそうとしている。でもまずは、ショートフィルム『jellywolf』について聞いてみた。

さて今回のプロジェクトですが、どういったところに魅かれましたか?

まず何より、私はアルマの作る映像に確信を持っていたわ。視覚的な刺激はとても大事だと私は考えているの。視覚的な刺激が、全てを魅力的なものにしてくれる。観る人たちは会話ではなく、映像を通して、このフィルム全体のメッセージを受け取ることができるの。音声をミュートにしたって、話の流れが分かるようになっているわ。

アルマの作品については、この撮影の前からよく知っていたんですか?

実は、そうでもなくって。でも、私たちには共通の友人が沢山いて、本当に意気投合したの。もうすっかりお互い魅了されちゃって、きっとまた将来、私たちは一緒にお仕事をすることになると思うわ。

全体を通して、どのような経験になりましたか?

本当に、自信を与えてくれるような経験だったわ。アルマと撮影が出来たこと、そして女性が指揮を取って、女性から指示を受けること。こういったものは、あまり経験したことがなかったから、本当に刺激的だった。あとは、リサ・ボネットと一緒にお仕事が出来たことね。彼女はとても落ち着いていて、素晴らしい精神の持ち主。それがとてもフェミニンなの。毎日本当にセクシーで、フェミニンで。私もとても楽しかったわ。

撮影には、どのくらいかかりましたか?

約2日間。あっという間だったわよ。アルマは1つのカットを撮るとき、既に次のカットを思い描いているの。時間を無駄にしたくないのね。

そういう風に撮影をこなしていく方が好きですか?

ええ。だから私は、TVより映画の方が好きなんだと思う。TVは、何年も繰り返し同じことをやるから、すごく長いわ。でも映画は、1つを撮り終えるのに大体2カ月。写真撮影みたいなものね。カメラマンからOKが出ても、そのまま撮り続ける。それは、1度よいカットが撮れてしまうと、その後は何をやっても魅力的なものにならないから。例え完璧じゃなくても、1度だけというところに魅力があって、それが更によいものを生み出してくれるんじゃないかしら。

どこで撮影したのですか?

ロサンゼルスよ。マリブの街でも、今までその存在すら知らなかったような場所での撮影だったの。ロスにいることを完全に忘れちゃっていたわ。

フィルムに出てくるお店は、いわゆるロスにある神秘的な癒しやヒーリングのお店を彷彿とさせるものでした。

まさに! クリスタルヒーリングの隠れ家みたいなね。みんながこのリカーショップを、こんなに美しく魅惑的なお店に変身させたのよ。セットの装飾は、実に見事なものだったわ。

自分をノスタルジックな世界へと連れて行ってくれる1つの感覚が、香りだと思うわ。

本当に。あのネオンサイン、私も欲しくなりましたよ。

分かる! 1個盗んでくるべきだったわ。

ところで、最初のセクションは、現実の世界にかなり根付いたものになっていますが、そのあとは、1匹のクラゲが空から降ってきて、これはそう起こる話ではないですよね。

起こるわけないわ。とんでもなく奇抜な話よね。

今までクラゲを見たり、刺されたりしたことは?

私はフロリダのビーチの近くで育ったから、どこにクラゲがいるとかが分かっていたわ。だから、彼らの存在には、結構敏感よ。みんなが刺されるのは見てきたけど、たまらないわよね。私はハチやクラゲに刺された経験はないけど、これからもごめんだわ。

ちなみに、クラゲの秘密を2つほど。実はクラゲって、神経系を通して香りを感じられるってこと知っていましたか? だからクラゲは、脳も心臓も持たないのに、餌などを嗅ぎ分けられるんです。

まあ、なんて変わっているの! まるで魔女じゃない! 本当に不思議な生き物ね。信じられないわ。

それから、クラゲに刺されたらオシッコをかけるっていうのも迷信。余計に悪化するそうですよ。

本当に!? 悪化するなんて、あり得ないわ!

このフィルムでは、香りが鮮やかな記憶や夢を呼び覚ますという概念が採り入れられていますが、あなたにも共感できる部分がありますか?

もちろん。自分をノスタルジックな世界へと連れて行ってくれる1つの感覚が、香りだと思うわ。例えば、幼い頃母親がつけていた香水や化粧水を、思い起こさせるような香りがしたときとかね。「この香りで思い出すもの何だ?」なんていうゲームを、妹と私はいつもしていたわ。

フィルムの中であなたのキャラクターは、バラとレモン、それに焦げた木を自分の香りとして選んでいますよね。あなた自身の香りは何になると思いますか?

私は射手座だから、木片かマッチかしら。射手座は火の星座でしょ。私だったら、自分の太陽や月、もしくは上昇宮の星座に関わるものを選ぶと思うわ。だからマッチや木片、水瓶座の金魚とか。あるいは貝殻のような、海のものかしらね。

いつも新しい環境に合わせるの。居場所や状況によって香水を選ぶというのもその1つね。

リサ・ボネットのキャラクターは、「Women Smell Better(女性の方がいい香り)」と書いたTシャツを着ていたけど、実際あなたもそう思いますか?

ええ! 実は今、そのTシャツを着てるのよ。すごく気に入ってるの。でも皮肉なことに、今私の脇の下、ひどい香りだわ。だって今朝、デオドラント剤を使ってないんだもの。女性の方が常にいい香りなのかは分からないけど、私は汗をかいた男性の香りが好きなときもあるわ。人によるけどね。

一般的には、女性の方がより感覚的だと思いますか?

まさにそう思うわ。特に妊娠して、感覚が高まっているときとかね。男性には、そんな女性が味わうような自然的体験はないと思うわ。

演じるとき、香りを利用することはありますか? 例えば、明るい気持ちになりたいときに付ける香水とか、あるいは泣くシーンで使う香りとか。

そうね、必ずしも意図的ではないけど、撮影のときは毎回香水を変えているわ。私はいつも新しい環境に合わせるの。居場所や状況によって香水を選ぶというのもその1つね。それに自分自身の香りと違うときは、我を忘れさせてくれるわ。

『ジャスティス・リーグ』と『ザ・フラッシュ』への出演で、一躍スターへの仲間入りですね。心構えの方は?

出来ていると思うわ。この2年間は、準備出来ていないこととかもあって、驚くほど圧倒されるような年だった。例えば、ビジネスという面でも準備が足りていなかったのね。でももう大丈夫。今年は何が待ち受けているのか、すごく楽しみよ。

『トランスペアレント』への再出演は?

分からないけど、また出演したいわ。TVとなると、それだけの時間を確保するのが難しいとは思うけどね。私たちはバンド活動をしていたんだけど、ジョシュの人生が崩壊したときに、バンドも解散。それに、私はメロラ・ハーディンが演じたキャラクターの娘役だったんだけど、彼女はもうその家族の一員ではなくなってしまったのよ。

今後は、音楽の分野も開拓していきたいですか?

ええ、ぜひ。多分春休み頃に、EPをリリースする予定よ。曲には、春のたき火の音なんかが使われていて、かっこよくてセクシーなの。1度も音楽を出したことない私としては、とにかくワクワクするわ。それに、自分のサウンドを見つけたいとも常々思っているの。大きな不安もあるけど、でも待ちきれないわ。きっと最高なものになるわよ!

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