ヴァルダ・カイヴァーノ展
アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、イギリスの名門芸術大学、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業したヴァルダ・カイヴァーノ。現在もロンドンを拠点に活動する彼女の作品は、自然や風景を思い起こさせるような色彩や線が特徴的。余白を残し、あえて未完にとどめているかのように描かれるその世界は、観る者の想像力を掻き立てる。そんな彼女の個展が、新しく六本木に移転した小山登美夫ギャラリーで開催中。同ギャラリーで3年ぶり3度目の開催となる本展は、抽象絵画の可能性を探り、追求する作品たちが、どう新たな空間と共鳴するのかも見どころのひとつ。実際に足を運んで、アーティストが真摯に向き合い、表現する世界観を肌で感じてほしい。
小山登美夫ギャラリー(http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/varda2016/)/開催中〜2017年2月4日(土)/11:00〜19:00/休廊日:日曜、月曜、祝日/入場無料/Photo:ヴァルダ・カイヴァーノ Varda Caivano, Untitled, 2016, Oil and charcoal on canvas, 76.5 x 102 cm © Varda Caivano Courtesy of Tomio Koyama Gallery
展覧会『麻のきもの・絹のきもの』
古代より日本人が衣服の材料として利用してきた麻と絹。麻は高温多湿の日本の気候においてよく育ち、絹もまた蚕蛾の育ちやすい環境である日本においては、自分たちで管理しやすく手に入れやすい身近な材料であった。麻と絹、素材の異なる着物たちにスポットを当てた本展では、それぞれが「糸」となるところから、織られて「布」となり、身を包む衣服である「着物」になるまでの経過を辿りながら、日本古来の技術や文化に触れることができる。日本人の感覚の中に受け継がれる、独自の美意識をきっと再発見できるはず。
文化学園服飾博物館(http://museum.bunka.ac.jp/)/2017年1月6日(金)〜2月20日(月)/10:00〜16:30(1月20日、2月10日は19:00まで、入館が閉館の30分前まで)/休館日:日曜日、1月9日/入場料:一般 500円、大高生 300円、小中生 200円/ギャラリートーク:1月14日(土)、2月11日(祝) 各回13:30〜(12:30より受付順30名)
川野美華個展『夜行性の庭』
淡い色調の中に異形の生物が動き回り、不気味でどこかエロティックな雰囲気を漂わせた作品を生み出すアーティスト・川野美華。様々なコンペティションや芸術祭で賞を受賞し、今アートシーンで注目を集める彼女の個展「夜行性の庭」が、メグミオギタギャラリーで開催される。皮膚の色でもある“肌色”を背景に使用し、一見穏やかで優しい色彩の世界観の中に、時につけマツゲや真珠、ハリなどをコラージュし、粘膜や虫の皮膚など「感触」を呼び起こすモチーフを描くなど、観るものの神経を強烈に刺激する。これまでの10年間の大作を中心に、新作も展示される本展は、人間の内面や感覚、エネルギーを含有する彼女の作品の魅力を、存分に楽しめる。
MEGUMI OGITA GALLERY(http://www.megumiogita.com/cn5/cn8/pg559.html )/2017年1月10日(火)〜1月28日(土)/11:00〜19:00 ※オープニングレセプション 1月10日(火)18:00〜20:00 /休廊日:日耀、月曜、祝日/入場料無料/Photo:“夜行性の庭 II” 2011, 162 x 162cm, oil, chain on canvas
映画『ネオン・デーモン』
美を追い求めるファッション業界の裏側に渦巻く欲望を、白昼夢のように幻想的かつ煌びやかに描いた映画『ネオン・デーモン』が公開される。幼少の頃から子役として活躍し、数々の有名作品に出演する実力派女優エル・ファニングが、野心を秘めた新人モデル役として主演を務める。カンヌ国際映画祭に正式出品され衝撃を呼んだ今作は、「美しさがすべてではない、美しさこそが唯一のものだ」と信じ、命さえも“美”に捧げる者たちによって繰り広げられるサスペンスストーリー。『ドライヴ』の監督、奇才ニコラス・ウィンディング・レフンが描く、欲望と狂気が入り交じる鮮やかな世界は必見。
公式サイト(gaga.ne.jp/neondemon)/公開日:2017年1月13日(金)/TOHOシネマズ六本木ほか 全国順次ロードショー/配給:ギャガ/Photo:© 2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch