Harley Weir's

Five Women

気鋭の写真家ハーレー・ウィアーは、複雑かつ洗練されたCHANEL Nº5の香りにインスパイアされ、世界5カ国5都市を巡り、5人の女性を捉えた。

ウィアーはパリで、若い女優ウラヤ・アマムラと出会い、ウラヤが母親と暮らしているアパルトマンから、女優として女性の人生を演じる映画の撮影現場まで、強くエレガントな女性へと彼女を導いた場所を巡った。

次にウィアーが向かったのは東京。裏路地やバーで出会った人々が自らの肉体を変貌させていく様を記録し、写真集にまとめたフォトグラファー岡部桃。彼女が捉えた被写体と対面したウィアーは、そこに岡部が描く色鮮やかな街と、そこで自らの肉体とアイデンティティを探る彼らの姿を見た。

そして、ザリヤ・アレンは、ロサンゼルスの高速道路とビーチが奏でるリズムに導かれ、若々しい自己表現と情熱の詩を紡ぎ出す。

南アフリカのヨハネスブルグでは、ダンサーのマンテ・リバニが兄妹と共に自己探求の壮絶な旅について明かす。ひとつひとつのステップで楽観性の響きを鳴らし、「自分に夢を描かせてくれたコミュニティを希望で満たしたい」と奮闘する女性の姿を捉えた。

ウィアーが最後に訪れたのはベルリン。私たちは複雑に絡みあった五感を使って世界を認識しているのだと、アーティストのクリスティーン・スン・キム は教えてくれた。

私たちの本質はどこにあるのだろう? つねにまとっているこの肌? それともその内に宿っているもの?

N°1
Chapter
Strength

Oulaya Amamra

戦士の娘
パリ 女優 ウラヤ・アマムラ

力強さと繊細さを併せもつ女性の複雑さを、ウラヤはバレエの練習を通して受け入れていく。家では母親と一緒に、そしてジムでは自身の記憶や体験を次の舞台で演じる役に馴染ませ、自分のものにしていくことによって。

N°2
Chapter
アイデンティティ

Momo Okabe

人間のあるがままを捉えたドキュメント
東京 写真家 岡部桃

わたしたちが纏っている、肉体と肌。フォトグラファーの岡部桃は、それをより深く理解しようと、日常と自らの身体を日記のように記録していく。私たちが会ったのは、彼女の結婚式当日だった。彼女は多様な貌をもつ東京と、自身の写真集でも被写体にしていた新宿ゲイシーンの住人たちについて語ってくれた。内なる真実を求めて、彼女はこれからも写真を撮り続ける。

N°3
Chapter
欲望

Zariya Allen

海を動かすということほど女性らしいことはない
ロサンゼルス 詩人 ザリヤ・アレン

若き詩人ザリヤは、愛への強いオブセッション——身を焦がす恋心、彼女を渇望する恋人——を詩にすることで、大人になりかかっている女性、そして書き手としての自分の居場所を探っている。

N°4
Chapter

Manthe Ribane

時間を超えた存在になりなさい
ヨハネスブルグ ダンサー マンテ・リバニ

マンテが織りなすのは「動き」の物語。野心とアイデアに溢れるダンサーとして、そして南アフリカの女性として、マンテは兄妹と共にダンスや音楽、パフォーマンスを通して地元の子どもたちに「ものをクリエイトする素晴らしさ」を伝え、また亡くなった親を想いながら生きる彼らの背中を優しく後押しする。

N°5
Chapter
奥深さ

Christine Sun Kim

私の知っている音楽
ベルリン アーティスト クリスティーン・スン・キム

比類なき洞察力と深みをもって独自の世界を創りだすアーティストのクリスティーン・スン・キム。耳が聞こえないながらも彼女は、音と感覚の持つ力をテーマとした作品を創造している。その作品は「音」を聴くものとしてだけではなく、イメージや動き、概念、心象として捉えてみるよう、私たちに問いかけてくる。

Behind the scenes

Episode 2