デジタルアーティスト、ジョン・ヨウイを知るための10のこと

インスタント麺からアクセサリー、USBケーブルから靴紐をつくり、自らの皮膚に写真をプリントするなど、想像力に富む作品を生み出すアーティスト、ジョン・ヨウイ。彼女にまつわる10の秘密を訊いた。

台湾で生まれ育ったジョン・ヨウイ(Yuyi John)は、デジタルアーティストだ。子どものような想像力を持つ彼女の作品づくりを制限するものなど、この世には存在しない。インスタント麺のアクセサリーや、USBケーブルの靴紐を想像してみよう。今、頭に現れたのが彼女の作品だ。ファッションデザインを学んだのち、すぐにニューヨークへ移住。誰もが羨むファション界での仕事を手にするも、ジョンは自分に元来備わった力を生かすことを選んだ。そして、風変わりなデザイン制作という本当にやりたいことを追求し始めたのである。そのヴァーチャルなアートはもちろんSNSに刺激されたもので、最近のプロジェクトも、TwitterやFacebook、インスタをテーマにしたイメージを顔に貼り付けるというものだ。次に挙げるのは、そんな類まれな想像力を持つアーティスト、ジョン・ヨウイをもっと知るための10の事柄である。

1

子供の頃、女性総理大臣になるのが夢の1つだった。

子供の頃は本当にたくさんなりたいものがあったわ。幼稚園のときはお医者さんになりたかったし、小学校に上がったら、歌手とか女性総理大臣とか。高校生になる頃には、自分が進みたいのはファッションの道だって気づいたの。でも卒業したら、外科医とかモダンダンスのダンサーとか国会議員もいいなって思えてきちゃって……。

2

自称SNS中毒者である。

前はFacebookが大好きだったんだけど、だんだん飽きてきちゃった。たぶん、もっとやりがいのある方がいいからだと思うわ。視覚的に表現するというインスタグラムのコンセプトは大好きよ。

3

すごく後悔していることの1つは、バレーボール選手になり損ねたこと。

高校生の頃は、練習も含めて毎日やっていたのよ。でも大学に行ったら、みんな手や服を汚したくないって言うんだもの。誰もやる人がいなくなっちゃったわ(バレーボールってチームワークが大事だしね)。

4

元カレの匂いが忘れられない……。

忘れられないの。彼は私を振って、精神的にも肉体的にも自分を大事にしなきゃいけないってことを教えてくれたの。

5

もし10年前の自分にアドバイスをするとしたら?

人の言うことなんて気にしない。いじめなんか怖がらないで、人には親切にすること。すぐに自分らしくいられるようになる。行きたかった高校に入れなかったくらいで自分を嫌いになっちゃダメ。最終的には実践大学[訳注:台湾の私立大学。デザイン学科が有名]に行けるし、そこですごく充実した日々を送れるようになるわ。

6

最大の願いの1つは、自分の感情をコントロールする術を学ぶこと。

感情をコントロールできるようになりたいわ。スルーする力をつけて、物静かな人になりたいの。鬱なんてバイバイってね。

7

好きな映画の登場人物は?

『恋する惑星』のフェイ。

8

心地いいのは?

派手なもの。90年代のパンツとか。

9

パーティ用のネタがいくつかある。

アゴにホウキを乗せることができるのよ。これは高校の頃からできてたわ。それに人の星座を当てるのも得意なのよ!

10

もし映画に出るとしたら、役は暗殺者。

二丁拳銃で、すごく腕のいい暗殺者よ。

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