写真家・永瀬沙世のクリエーションを支える5つの「感触」

写真家・永瀬沙世の写真の中では、被写体が空間と戯れているかのように、自然が意志を持つかのように力強く鮮やかに写る。光に表情がつき、風が呼吸をする。彼女の前ではあらゆる自然も生命体も意のままになる。そんな彼女がつくる神秘的な作品世界の源となる、彼女の日常にまつわる5つの「感触」について伺った。

1

住むように旅をする

たくさんの情報や思考を詰め込んだ心と頭を、からっぽで透明にするために、定期的に外国に行きます。

キッチンが付いているアパートやホテルに泊まって暮らすのが好きです。

カメラと本と即席のお味噌汁を持って行って現地に溶け込むのです。

2

香り

サンタマリアノベッラのオーデコロンをはじめ、ローズ系のボディクリームやハンドクリーム、自分の中で白かピンク色をイメージする香りをつけています。

3

キラッとしたもの

水面、石、スパンコールやガラス、濡れた植物や雨上がりのアスファルトに反射する光などが好きで、よく光を追いかけています。

4

植物

父親が、庭いじりが好きでいつもたくさんの植物に囲まれて育ったので、植物に囲まれているとホッとします。

5

都会にいる時ほど、空を見上げることが多いです。

東京から見上げる月も星も、街並みとのコントラストで、なんだか無性にロマンチックなのですよ。

月の満ち欠けがわかるアプリで、月の様子もチェックしています。

©sayo nagase

永瀬沙世

1978年兵庫県生まれ。東京をベースに活動するアーティスト、写真家、 ヨモギブックス主催。 現在まで8冊の写真集を制作。「Asphalt & Chalk」(2011年)と「PINK LEMONADE」(2013年)は、パリを拠点とするストックホルムの「LIBRARYMAN社」から出版された。2016年夏には、写真集/個展『SPRITE(スプライト)』を発表、今秋 『CUT-OUT』がGALLERY 360°(東京・表参道)で開催。

www.nagasesayo.com/

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