寺本愛 「Pilgrims」
自ら創作したファッションに身を包んだ人物のイラストレーションを描くアーティスト、寺本愛。彼女は近年、自身が実際に訪れた場所での体験を元に、想像上で創り上げる場所・場面に息づく人間の姿をテーマに作品を制作している。Gallery Fmで開催される個展では、自身が今年四国に行き「お遍路」に触れた体験を元に、祈りや願いを胸に秘めて巡礼する人々の姿を描いた新作が展示される。作品のなかでディフォルメされモノクロで描かれたファッションやモチーフは、そのフォルムと質感を際立たせている。
Gallery Fm (http://galleryfm.com/) /10月1日(土)〜 10月23日(日)*月と火曜休廊。ただし、10月10日(祝・月)は開廊/12:00〜19:00/入場料 無料/Photo: 寺本愛「Pilgrims」©Ai Teramoto
Demythifying Japanese Women Artists ―女たちは神話をほどく ―
桂ゆき、草間彌生、田中敦子、そして名坂有子。戦後日本を代表する4人の女性アーティストに焦点を当てた展覧会が、NUKAGA GALLERYで開催される。Demythify(脱神話化)という言葉を冠した本展では、加熱するアートマーケットで高騰を続ける草間彌生、田中敦子、名坂有子という作家の本質的な価値を問い直し、彼女達より約20歳年長で先駆的・ユニークなアーティスト桂ゆきと共に展示することにより、日本の前衛女性アーティストの活動の多様性、豊饒さを再発見することができる。市場に流通することが希な桂ゆきの大作や、草間彌生の初期作品、田中敦子の未発表作品や名坂有子の海外展示作品など、貴重な作品が集結する貴重な機会に、足を運んでみてほしい。
NUKAGA GALLERY(http://www.nukaga.co.jp/)/10月12日(水)〜11月2日(水)*日曜休廊/10:00〜18:00/入場料 無料/Photo: © Yayoi Kusama
Chim↑Pom 『「また明日も観てくれるかな?」~So see you again tomorrow, too?~』
アート集団のChim↑Pomが、解体予定の歌舞伎町振興組合ビル(使用は地上4階から地下1階まで)にて、日本では約3 年ぶりとなる大規模な新作個展と、音楽やパフォーマンス、トークなどライブイベントからなるプロジェクト『また明日も観てくれるかな?』~個展「また明日も観てくれるかな?~So see you again tomorrow, too?~を自主開催する。展覧会のテーマは「スクラップ&ビルド」。「2020 年東京オリンピックまでに」をスローガンに、再開発が進む現在の東京という都市の姿に迫るとともに、日本人の「青写真の描き方」を問い直す。
Chim↑Pom 『「また明日も観てくれるかな?」~So see you again tomorrow, too?~』新宿歌舞伎町振興組合ビル(http://chimpomparty.com)/10月15日(土)〜10月31日(月)/13:00〜22:00/入場料 ¥1,000
シブカル〈秋〉祭。2016 〜やっぱり渋谷で会いましょう〜
音楽、アート、ファッション、映画など、さまざまなコンテンツをミックスした女子クリエイターの祭典「シブカル〈秋〉祭。2016 ~やっぱり渋谷で会いましょう〜」が10月21日(金)渋谷クラブクアトロを会場に開催される。当日は、ライブやファッションショー、アート、フードなど、表現したい欲求とパワーをミックスさせた、シブカルらしいカオティックでワンダーな宴の一夜となること間違いなし。メインヴィジュアルと会場デザインを手掛けるのは、猟奇的で刺激的な作品が話題を呼ぶ、とんだ林蘭。全身で女子クリエイターたちのクリエイティビティを感じてほしい。なお、イベントに先立ち、15日(土)より渋谷の街には、シブカルクリエイター40名がポスターをキャンバスに制作したヴィジュアル作品160枚が掲出され、渋谷センター街や井の頭通り沿いなどの街頭ヴィジョンでは映像作品が上映されている。こちらも見逃せない。
シブカル〈秋〉祭。2016(www.shibukaru.com)/渋谷クラブクアトロ/10月21日(金)/14:30〜22:30/入場料 無料
蜷川実花 『Light of』
六本木に移転した小山登美夫ギャラリーの新しい幕開けを飾る展覧会として、蜷川実花展「Light of」が開催される。本展で発表されるシリーズ「Light of」は、花火や野外フェスにおける暗闇で煌めく光を画面から溢れんばかりに捉えている。その場にいる人々の、一瞬の閃光を享受する熱気や欲望をも窺い知れるような、力強く鮮烈な作品となっている。また、光が強い程に影もまた濃く出るように、蜷川は光の世界と隣り合わせの暗闇にも敏感に反応している。本展の作品を観る者は、視覚的な鮮やかさと刹那的な美を止めようとする衝動、それを通して永遠なるものに触れようとする、作家自身の視点を強く印象づけられるだろう。
小山登美夫ギャラリー(http://tomiokoyamagallery.com/)/10月21日(金)〜 12月3日(土)*日・月曜と祝日は休廊/11:00〜19:00/入場料 無料/Photo: Light of 2015 C-print mounted on plexiglas, frame 97.0 x 145.6 cm ©mika ninagawa